便秘事典トップ > 便秘の豆知識(宿便、残便感ほか)
宿便
大腸の中に長期にわたり貯まった便のことをいいます。便を排出する機能が弱くなった高齢者や便をがまんする習慣をもった遺糞症の子供に起こりやすい問題です。硬くなった便により腸管が圧迫され、腸に潰瘍ができることもあります。便秘でない人は便塊が1カ所に留まり、腸管壁にこびりついて動かないようなことはありません。
高齢者に宿便がある場合は糞詰まりが起こります。浣腸しても浣腸液しか出なかったり、下痢便が出てきたりしますが、これで宿便が解消されたわけではありません。直腸に指を入れると硬い便が残っていることが多く、指で触れる場合は便をかき出さなければなりません。
残便感
便を出した後にまだ便が残っているように感じる時があります。この場合、本当に直腸内に便が残っている時と残っていないのにそのように感じる時があります。前者は便を全部出せていない場合です。直腸に指を入れると便が残っていたり、排便造影をすると造影剤が直腸内に残っています。後者は力を入れて排便する人がよく訴える症状です。力を入れることで直腸内に炎症が起こって、それを便意として感じているようです。トイレに坐って便が出ない時は早めに切り上げて出るようにすると改善してきます。
下剤濫用症候群
刺激性下剤を多量に長期にわたり使用すると、下痢が続いて血液中の電解質のアンバランスが起こったり、腹痛が起こったりします。また、大腸の神経を障害して腸の動きが悪くなるともいわれています。刺激性下剤だけで便秘を治そうとして大量に長期連用するのは避けたほうがよいようです。まず食生活や生活習慣を整えることの方が大切です。
また、広く使われている漢方薬系の下剤に含まれているアントラキノン系誘導体を長期に連用した場合、大腸を内視鏡でのぞくと粘膜が黒くなっていることがあります。これは大腸粘膜にリポフスチン顆粒が蓄積しているためといわれています。この現象自体は無害で、下剤を中止すれば元に戻ります。