便秘事典トップ便秘の治療法

便秘の治療法

まずは生活習慣の改善

 治療はまず生活習慣を改めることから始めます。朝食をしっかり摂っているかどうか、食物繊維の摂取不足はないか、睡眠時間は充分か、運動量は足りているか、ストレスは発散できているか、便意を我慢していないか、排便の時に力みすぎていないかをチェックして改善していきます。また、便秘に関しての誤った知識を正し、検査の結果を充分理解してもらうことも大切なことです。

便秘薬・健康食品

 便秘薬としては便量増量剤、下剤、腸管運動促進剤などを使用します。便秘レシピ、便秘茶として使用される健康食品はこれら便秘薬の成分を含んでいます。推賞される便秘体操は確立されていませんが、便を直腸へ送れるような運動も必要です。座薬・浣腸や腸内洗浄を必要とする場合もありますが、勧めてよいかどうか決めるのは難しいことです。

便秘の治療

 便排出障害型では正しい排便方法を体得することが大切です。便を排出する時に肛門を無意識のうちに締めてしまっていることがあります。うまくその習慣が改められない場合は肛門の圧をモニターテレビで見ながら、直腸内で膨らませたバルーンを排出する訓練を行います。この訓練によって便を排出する時に肛門を締めてしまう習慣を改めることができます。この訓練法をバイオフィードバック法といいます。これらの治療をはじめ、生活習慣を変えたり、薬剤を投与したりしても効果がない場合は、外科的治療を行うこともあります。

 腸管移送時間遅延型の場合では、手術により盲腸からS状結腸までの全結腸を切除して回腸と直腸を吻合する方法もあります。また、便排出障害型の中でも、排便の時に直腸から膣に向かってポケットを形成する直腸腟壁弛緩症の場合は、修復手術が行われます。しかし、これらの手術を行う必要があるかどうかなどを判定するのは専門の先生に相談して、信頼関係を築きあげてからが良いでしょう。

バイオフィードバック法とは?

 行動医学には、正常より逸脱した行動や不適切な行動は学習されたものであり、矯正しうるものであるという概念があります。バイオフィードバック法とは、この概念に基づくオペラントーレスポンデント条件付け法と認知的学習理論です。排便訓練のみをいうものではなく、誤った排便方法を自律的訓練法で矯正しようというものです。

●バイオフィードバック法解説図
バイオフィードバック法 バイオフィードバック法